パリでの話

私が初めてパリに行ったのは、大学2年の時でした。

 

 

最初のパリはとにかく美術館に行くぞと意気込んで

限られた時間の中周れるだけ周りました。

移動は時間をかけないようにと兎に角急いでました。

 

ブールデル美術館を出て、人気のない裏道を歩いていた時のこと。

向こうから二人組の女性が歩いてきました。

話し声で日本人だと思ってよく見ると、一人は友人に似ていました。

「いやいや、まさかまさか」と思っていると

彼方様も同じようにじっと私を見つめる・・・。

やはり友人でした。

 

なかなか東京でも会わないのに、この日、このパリの裏道で、

移動のほんの少しの時間に、まさかの再会でした。

「うそやんー!なんでー!!!」とお互い二年ぶりの再会に喜び、

ハグして「また日本でも会おう!」と興奮気味に別れました。

 

その出来事から15年以上。会えたのは何回でしょうか。

東京での展示で会えたこともあったのですが

近年は年賀状のやりとりのみでした。

 

 

二週間ほど前に、彼女の訃報が届きました。

 

ただただ驚いて、頭が彼女の死に全くついて行かず

涙が出たのも翌日でした。

お葬式も終わったと言うのにまだ信じられません。

 

 

 

なんとなく、また会えるような気がして過ごしてきました。

正直、パリでまた会うのでは?なんて期待してましたし、実際彼女ともそんな冗談を言い合ったりもしていました。

 

 

 

友人が亡くなり、ノートルダムも焼け落ち、

 

仕事でうまく行かないことがあったり、腹立たしい出来事があったりと

うまく気持ちの整理が出来ないことが続き

流石に落ち込みました。

 

「いつでも会える」とか「いつでもそこにある」なんて思っちゃいけませんね。いつ何があるか分からないです。

行ける時に行きたい場所に行く、会える時に会いたい人に会う。

動けるときに動かないと後悔するなぁと改めて感じました。

 

 

 

もしかしたらこのブログは消すかもしれませんが

なんとなく、あの時再会した友人とのことを話したかったので書きました。

 

またパリに行けたら、その時は、あの時彼女に会えた道を歩くつもりです。