旅日記:パリ

Nu couché à la toile de Jouy.

ジュイ布の裸婦。

Foujitaこと藤田嗣治の作品です。

(職員に写真を撮って良いか聞いて、撮らせてもらいました。)

 

 

この日は朝イチでパリ市立近代美術館(Musée d'art moderne de la Ville de Paris)に行きました。

 

この一枚を見たかったからです。

 

出逢った瞬間、感動で震えました。

 

どれ程その場に立ったままだったか・・・職員も「まだ見て居たの?」と驚く程、そこで眺めていました。

 

今迄何度かフランスに行って、その都度旅のテーマを作ってました。

美術関係なのは同じなのですが、市内の美術館を巡る、とか、地方の美術館を巡る、とか、教会巡りをする、とか、ゴシック建築をみて回る・・・などなど。

 

今回のフランスは、フジタの旅、です。

 

フジタの作品を、フジタを追いかけて、旅してきました。

 

フジタの絵はこの日は近代美術館だけでしたので、次に向かったのはセーヌ川を渡ってすぐのケ・ブランリー美術館(Musée du quai Branly)です。

2006年に出来た美術館で割と新しいです。気になっていたのですが、入るのは今回が初めてでした。

 

ここでは世界の、古代から現代までの美術品、衣服、装飾品などを見る事が出来ます。

展示品は主にゾーンで区切られていて、アフリカ・アジア・オセアニア・アメリカという各地域で展示されていました。

個人的には様々な民族の衣装や文様が面白く、また色彩も勉強になり結構楽しめました。

 

ケ・ブランリー美術館を後にして、次に向かったのはロダン美術館です。

1月に行った際には改装中で、4月オープンとの事でしたのでどんな風に変わったのかなと興味津々で向かいました。

 

・・・が。

個人的にはどこがどう変わったの?というか、前の方が良く無い?という感じでした・・・。

邸宅の方を少し改装?したのとBookshopの傍に出来た展示室が新しくなった所なのかも知れませんが・・・。個人的には展示の見易さで言うと昔の方が良かったです(=_=;)

 

ロダンの作品も好きなのですが、もっと好きなのはカミーユの作品。

写真右の作品は「クロトー」というカミーユの作品です。

題材は神話の女神だったと思いますが、その姿は老婆で、この髪といい何とも存在感のある作品です。

このHPにも載せていますが、何年も前に水彩クロッキーしました(^^)

よかったらそちらもご覧下さい。後半殆どカミーユ作品です(笑)

 

彼女は才能は素晴らしいのに、作家としてあまり恵まれなかった様に思います。

個人的には大好きな作家なのですが・・・。

このクロトーは思い悩んだ頃の作品と聞いています。彼女の気持ちがどことなく伝わる様な気もする作品です。

 

ロダン美術館の次は、オランジュリー美術館(Musée de l'Orangerie)。

言わずと知れた、印象派・ポスト印象派の美術館です。

 

そしてお腹が空いて・・・ルーブルの地下でご飯です。

ついでなのでちょっと地下の彫刻の部屋を見てから、オルセーに。

この日はオルセーが遅く迄開いている曜日だったので、かなりじっくり見る事が出来ました。

 

 

流石に脚が疲れてしまい、美術館を出たらすぐにホテルに向かいました。

沢山の美術作品を見た大満足の一日。

でも・・・

思うのはフジタの絵、一枚のみでした・・・。

 

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コメント: 2
  • #1

    ひろぬま (火曜日, 25 12月 2012 21:41)

    今回の目的は、フジタだったんですね。それでは、初めの近代美術館の『裸婦』は凄いインパクトでしょうね。乳白色の肌と細い輪郭線だけで、圧倒してくるわけで、職員が驚くほど長く見ていた気持ちは解ります。色彩を追及していたともいえるベルエポックの時代に、この絵を見たときの他の画家たちのショックは大きかったでしょうね。NHKで10年ほど前に『藤田嗣治の20世紀』という2時間番組をやっていました。彼の戦争画の時代を含む人生や、乳白色を出すキャンバスの下地などを扱った、興味深い番組でした。

    カミーユの方が、ロダンよりハイ天才のような気がします。彼女がいなかったらロダンはあれだけの作品はつくれなかったのでは?しかし、彼女はロダンとの関係に潰された感じですよね。もったいない。

    オランジェリー、オルセー、ルーブルとくれば、凄い凄いでしょうね。お疲れ様でした。そしてうらやましい~~

    次のフジタ、楽しみです。

  • #2

    nanamonda (水曜日, 26 12月 2012 16:30)

    ☆ひろぬまさま
    そうなんです。今回のフランスの目的はフジタでした。
    この日は市立近代美術館の一枚でもうお腹いっぱいになってしまった感じです(笑)2009年に福岡で巡回のレオナール・フジタ展を観ましたが、その時は好きではありましたが、彼の作品に対して今程の執着心が無かったんです・・・。
    なので今回は感動の連続といいますか、やはりどういうタイミングでピンとくるかは解らないなぁというのが正直な所です。見たいと言う衝動のみでしたが、突き進んで正解でした(笑)

    ロダンの作品も勿論素晴らしいと思いますが、この時代も女性があまり目立てない時代ですので、何かと言うとカミーユの名前の前に「ロダンの〜」とついていた様に思います。
    最期も辛いものですし、もしこんな事にならなかったら、もっと現在に残る作品は違ったのではないか・・・と考えずにはいられないです。。

    次回はフジタのアトリエです(^^)イロイロありまして長文ですが、お付き合いくださいませm(_ _)m